社長インタビュー 2弾
――最近読んだ本で面白かったものを挙げてください?
お答え
食物史に関する本です。砂糖、コーヒー、お茶、陶磁器、カレーがどう世界を回ったのか、伝播していったのか、それらがどのように商品化したのか、資本主義の発達史みたいなものです。
病気治療、伝染病、結核とどう人類は闘ってきたのか、なんとか読めるのは、小説、ルポ、企業史、社会学―歴史ものぐらいです。
ーーどんな本が読めなったのか?
お答え
なかなか鋭い質問です。 思うままに上げていくと、遺伝学、ウィールス説、放射線、工学、生物学、宇宙論、数学―とかはまず歯が立ちません。学問を途中で放棄した者=私にはほとんど理解不可です。
ーーどんな時がうれしいですか?
お答え
本を買ったとき、それを本棚に納めた時、ネットで売れた時、、新しく入荷した本との出会いーすべてである。
「別れを告げずに、行ってはいけない、恋人よ。-タゴール」 この詩に私の思いがかさなる。 私にとっては買って本棚に並んでいる本はみなコイビトである。私が両手で抱きしめ、検証し、その本にふさわしい場所、ねぐらを定めていたものである。見つめていたものである。 それが売れていくことはほんとうにかなしい。この大事な本を、ずっと私の胸に繫ぎ止めておけたなら!
私は、ずっと倉庫で眠っていた恋人にオーダーがはいったとき私にはためらいがある。
ここにはいつまでもいることができないことを、私はもう一人の私に教える。古本屋に買われてきた以上あなたたちはいつまでもここにはいることができないんだよ。
私は丁寧にわかれをつげる。
ーーこれからどうするのか?
いままでどおり、。ただ、これからはもっと自分を大事にーそして人とのむすびつきをも大事にしていこうと思っている。私の今までの経験や知識が役立つようならば、そのようにふるまう。