日本最初の健康体操 自彊術(じきょうじゅつ)
現在新聞・雑誌・テレビなどで、多くの健康に関する記事を見かけます。
私たちは今、中には怪しいと思われるような本まで種々雑多な情報の渦の中にいます。
高齢者の数が増えたという単純な理由もありながら、ただ視聴率狙いのテレビ番組ま
で、情報は叛乱しています。
数年前までは、病気の話題のトップは「癌」でした。でも今は抗がん剤・治療法の進
歩等によって、かなり治療も改善されてきました。
今はさまざまな病気(そのほとんどは生活習慣病と言われている)が取り上げられ、心
の病も深刻な病気の一つになっています。
でも病気にならないための健康つくりも一方では重要性が叫ばれています。
それには「食事」・「適度な運動」・「心(生きがい)」が大切です。
今日は希少な珍しい本を見つけました。
それが下の画像にある「自彊術」という本です。
この本について、少し紹介しましょう。
日本最初の健康体操の本と言われています
昭和生まれの人には、この字は読めないでしょうし、多分聞いたこともないでしょう。
でも明治生まれの人には懐かしい言葉でしょう。この体術を実行して、80歳・90歳に
至る健康を保持している方もいらっしゃることでしょう。
この医療体術・健康体操は、大正五年に、香川県坂出市出身の治療術の天才・中井房
五郎氏によって創案され、当時の実業家十文字大元氏によって、推進普及されました。
最盛期は300万人ともいわれ、ラジオ体操が普及されるまでは、国民体操と言われて
いました。
ではなぜ優れたこの体操が戦後廃れていったのか?
第一には十文字氏亡き後、指導者が現れなかったこと。
自彊術同人が互いに技術を誇示したりして、道場教室を創るという情熱を失っていたこ
と。
戦後急速に進歩した西洋医学に幻惑されて、国民がこの古めかしい健康体操などの見
向きもしなくなったこと。
そのような中で、近藤芳朗・幸世夫妻が戦後この自彊術を現代医学的に解明し、万
人がこの恩恵にあずかれるよう普及活動を行ってきました。
今日はラジオ体操以前にこのような健康体操があったということを紹介いたしました。
健康に対して更に思いが深まると幸いです。
岡本 栞